とてもホッとした話

近所の二つ年上のお姉さんと15年ぶりくらいに喋った。

もともと小さい頃はよく一緒に遊んでいた。中学まで学校が同じで、その頃まで遊んでいたのを覚えている。

めちゃくちゃ近所に住んでいて、母親同士は今もずっと仲がよい。

彼女が高校生になる頃には遊ぶこともなくなった。偶然バス停で会ったときは話しかけようかと思ったところ距離を微妙に取られ「私、嫌われてる?」と思った。その時のことは自分の中ですごくショックだった。その頃から彼女と顔を合わせるのが怖くなってしまった。でも近所に住んでいるのでばったり会うこともある。私が近所でレジのアルバイトをしているとき向こうが客として来たときもお互い知らないふりをした。お互い親といるときに会っても、目は合わせなかった。

お互い口を聞かなかった時期も母親同士は相変わらず仲良しなので、母を通じて彼女の近況を聞いていた。母はお互い口を聞いていないことは知らない。母が彼女を話題に出すたびに寂しい気持ちになった。でも、彼女のことを嫌いなわけではないし、前みたいに普通に話したりしたいと思っていた。

お互い結婚し、実家を離れたため顔を合わすことはほとんどなくなった。これで会うこともなくなるし考える必要がなくなって気楽になっていた。


そんな中、私の出産のための里帰りと、彼女の帰省が重なった。彼女は昨年出産し、子供も一緒に来ていた。

これは先週の昼過ぎの話。子供の顔を見せに、彼女のお母さんと一緒に3人でうちの玄関先まで来てくれることになった。帰省の話は聞いていたので「"この時"は来るだろう」と覚悟はしていた。でも頭の中では気まずくなったらどうしようとか、前はタメ口だったけど敬語で話すべきか?とか余計なことをぐるぐる考えながら玄関へ向かった。


会ってみると以前の彼女とあまり変わっていなかった。

臨月の私のお腹を見て「大きい!」と驚いて笑っていた。普通に会話ができてめちゃくちゃホッとした。あ〜、こうやって早口で話す人だったなと懐かしい気持ちにもなった。

親同士が仲良しなのが何より大きいけど、お互いに結婚・出産の時期が近かったおかげで自然に話すことができた。もうすぐ8ヶ月になる息子さんは彼女に似て凛々しくて可愛かった。最後には5人で写真も撮った。

何年も悩んでいたのが嘘みたいだ。自分のネガティブな思い込みもあったし、こういうきっかけに助けられた。人には合う時期合わない時期というのがあるんだなとも思った。

私の子が生まれたら写真と動画を送る約束をした。